DEXCS2016 for OpenFOAM環境構築(3)
mmer547です。
私の部屋は暖房がないのでこの記事書いてる時のPCが暖房替わりです。
さて、今回はDEXCSのインストールに移ります。
仮想マシンの設定
前回仮想マシンを準備しましたが今回はその細かい設定からスタートします。
まず、VirtualBoxの起動画面で、DEXCS2016の仮想マシンを選択(青色ハイライト状態に)して「設定」ボタンをクリックします。(Fig.1)
Fig.1 設定ボタンのクリック
すると、設定画面が出てくるので、「一般」-「高度」の中にある「クリップボードの共有」、「ドラッグ&ドロップ」の項目を「双方向」にします。
これで、Windowsと仮想マシン(DEXCS)との間で、クリップボードの共有とドラッグ&ドロップが使えるようになります。
Fig.2 クリップボードとドラッグ&ドロップの設定
次にプロセッサーの数を設定します。
「システム」ー「プロセッサー」を開きプロセッサー数のスライダを移動させます。ここで設定したプロセッサーが仮想マシンで使えるプロセッサー数になりますので、並列計算をする方は忘れずに設定ください。(Fig.3)
メモリのときと同じく、緑の領域を参考にプロセッサーの数を設定するようにしてください。
Fig.3 プロセッサーの設定
なお、「システム」ー「マザーボード」でメモリの数を変更できますので、割り当てなおしたいときはそちらを使ってください。
最後にDEXCSのインストールディスクを仮想のDVDドライブに割り当てます。「ストレージ」項目を開いて「コントローラIDE」の「空」となっている部分を選択します。すると、右側に「属性」というのが表示されますので、そこにあるディスクのアイコンをクリックします。
クリックすると「仮想光学ディスクファイルを選択」というのが選べるので、それをクリックします。(Fig.4)
Fig.4 仮想光学ディスクファイルを選択
ディスクファイルの選択画面になりますので、第1回でダウンロードしてきたDEXCSの「.iso」ファイルを選択して開きます。(Fig.5)
Fig.5 isoファイルの選択
Fig6のようにコントローラIDEにDEXCSのisoファイル名が表示されていれば準備完了です。OKを押して設定ウインドウを閉じてください。
Fig.6 コントローラIDEの確認
仮想マシンの起動
ようやく仮想マシンの起動です。
VirtualBoxの起動ボタンをクリックします。(fig.7)
Fig.7 仮想マシンの起動
仮想マシンを起動するとすぐにブートメニューが立ち上がります。この時点では設定したisoファイルのLiveCDモードでの起動になり、DEXCSはまだ仮想マシンにインストールされていない状態となります。
ここでは何もせずにしばらく待つか、ENTERキーを押します。4つ起動メニューが選択できる状態ですが、一番上以外は選択しないようにしてください。
Fig.8 ブートメニュー
しばらくしてデスクトップが表示されたらデスクトップにおいてある「Custom18のインストール」をダブルクリックします(Fig.9)
Fig.9 デスクトップ
インストーラが起動したら、まず、言語選択画面が表示されます。ここでは日本語を選択して「続ける」をクリックします。
Fig.10 インストール言語の選択
言語選択の後は、サードパーティのインストールについて聞かれますが、ここは無視して先に進みます。
Fig.11 サードパーティのインストール(無視して次へ)
次に、インストールの種類を聞いてきますが、特にいじる必要はないので、無視します。「ディスクを削除して~」と物騒な言葉が書いてありますが、ここでいうディスクとは仮想ディスクのことですので、本体のディスクのことではありません。
なお、ここで注意ですが、「インストール」をクリックする前に必ず本体のPCのネットワークを無効にしてください。優先なら線を抜くかネットワークアダプタを無効にしてください。無線なら無線を切るかWidows10とかなら機内モードにしてください。
本バージョンのDEXCSだとネットワークが有効の場合、インストールが完了出来ない可能性があります。ご注意ください。
Fig.12 インストールの種類(無視して次へ)
ディスク削除に対する最終の確認が表示されますが、無視して先に進んでください。
Fig.12 インストールの確認(無視して次へ)
ここからはインストールするDEXCSの設定になります。まずはタイムゾーンを選択してください。(Fig.13)選択出来たら「続ける」をクリックします。
Fig.13 タイムゾーンの選択
タイムゾーンの次はキーボードレイアウトです。英語配列、Macキーボードの場合はデフォルトだと入力キーの位置がずれていることがあるので、適宜選択してください。
Fig.14 キーボードレイアウト
最後にユーザー情報を登録します。ここで設定するパスワードは仮想マシンにログインするときに必要になりますので、忘れないようにしてください。入力出来たら「続ける」をクリックします。
Fig.15 ユーザー情報の入力
インストールの経過が表示されます。時間がかかるので、まんじゅうでも食べながらゆっくり待ちます。
Fig.16 インストール中の画面
しばらく待っていると、Fig.18のように再起動を促されますので、「今すぐ再起動する」をクリックしてしばらく待ちます。
Fig.18 インストール完了
しばらく待つと、「Please remove the installation medium, then press ENTER:」と表示されるので、ENTERキーを押します。
これ以降は、インストールが完了しているので、ハングアップしたりしたら、仮想マシンを閉じて、再起動したりしてみてください。仮想マシンが完全に壊れたらこれまでのインストール作業をやり直せば新たに環境を構築できます。
Fig.19 Enterキーを押す
しばらく待つと、ログイン画面が表示されます。(Fig.20)ユーザー名が表示されているので、それをクリックします。
Fig.20 ログイン認証画面
パスワード入力待ちになるので、先ほど設定したパスワードを入力して「OK」をクリックします。
Fig.21 ログインパスワードの入力
ログインするとFig.22のようにデスクトップ画面が表示されます。スタートメニューが表示されますが、邪魔なので「×」を押して消してください。
Fig.22 ログイン後の画面
最後にFig.23に示すデスクトップに置いてある環境セットアップスクリプト「setupDEXCS.sh」ダブルクリックします。
Fig.23 セットアップスクリプトの実行
また、ログイン画面に戻るので、パスワードを入力して「OK」をクリックします。
Fig.24のようにデスクトップにDEXCSランチャーのアイコンが出来ていれば環境構築は終了となります。これ以降はネットワークを接続いただいても大丈夫です。
Fig.24 セットアップ完了後のデスクトップ
このあと
DEXCSの使用法はネットにも転がっていますし、当勉強会のログを見ていただくと旧バージョンですが講習会の資料もあります。
初めて触られる方はDEXCSランチャーから使用されることをお勧めいたします。OpenFOAMの操作手順を順に追いながら学んでいくことができます。操作チュートリアルの動画もついていますので、いきなりマニュアルを読むのはちょっと……という方も安心です。
慣れてきたら、国産のOpenFOAM用GUIツール「TreeFOAM」に移っていくことになります。TreeFOAMはDEXCSランチャーよりも高度なツールが使えます。マニュアルも整備されているので、ぜひ使ってみてください。
このシリーズはあと数回、番外編を予定していますが、インストール編はこれで終了になります。
それでは、よいオープンCAEライフを!