第36回オープンCAE勉強会関西 開催報告
だいぶ遅れてしまいましたが、第36回となりましたオープンCAE勉強会@関西の開催レポです。
今回は3/14(土)にグランフロント大阪・ダイキンソリューションプラザ フーハ大阪会議室での開催となりました。午前中は講習会、午後は勉強会の構成で8名の方に参加いただきました。ありがとうございます。
講習会は「iPython notebookでOpenFOAMを使う!」ということで、ブラウザベースのPython実行環境iPython notebookを使用してOpenFOAMを実行するという内容でした。環境はVagrantでセットアップした仮想マシンに接続して、iPython notebookを立ち上げるというものでしたが、このVagrantの設定が難しく、環境構築でギブアップされる方が出ました。最終的には講師のPCに接続して、演習を実施いたしました。講習の環境でうまくいかない、という流れは今回も断ち切れませんでした。
このVagrantですがVirtualBoxと合わせて使用する仮想マシン構築のソフトで、環境の構築、設定を自動化できるというものです。(まだ、あんまりわかってません。)ソフトウェア開発などで、テスト用環境を用意するために使用するものらしいです。
今回iPythonを使った理由としては、ブラウザベースでOpenFOAMとiPythonを組み合わせることで、計算実行GUI(のようなもの)を作成できるということで取り上げました。Pythonスクリプトのように実行順にコードを残すことができるので、先頭にデータ入力用のコードを書いておき、計算投入、ポスト処理を続いて書くことで、ブラウザをGUIのように活用できる点は興味をそそられました。iPython notebookはサーバに本体をおいておき、リモートで起動することができるので、テンプレートになるファイルをサーバ側においておけば、解析フローのシステム化ができそうです。
続いて勉強会です。
今回は3名の初参加の方にお越しいただきました。学生様が2名と大学関係者様がお一人でした。学生のお二人は船舶関係の研究をしていて、大学の方が商業ソルバでできないことをOpenFOAMでできないか検討しているということでした。あいもかわらずOpenFOAMのネームバリューがすさまじいですね。
発表は以下の内容でした。
①ansibleの紹介(TatsuyaKatayama)
勉強会のもう一人の幹事、Katayama様による構成管理ツール「ansible」のご紹介です。同じく構成管理用のツールのChefに心が折れた向けだそうで、Python製で複数サーバの環境構成を自動で設定するのに使います。ansibleで設定ファイルを作っておけば、丸々同じ構成の環境を用意できるので、CAE計算サーバの管理をされている方は、ご興味を持っていただけるかと思います。
②OpenFOAM-2.3.1 標準チュートリアル Allrun 「やってみた」の紹介(mogura77x様)
もはやOpenFOAMのバージョンが上がったときの風物詩といっても差し支えないくらいのmogura77x様のOpenFOAM-2.3.1標準チュートリアルの全実行に関するレポートですが、今回は計算が途中で止まることなく、実行できたそうです。(HDDをたくさん空けておいたのが良かったそうです。)資料はSlideShareにて公開されております。
Of tutorials v2.3.1 (1) | PPT
Of tutorials v2.3.1 (1) - Download as a PDF or view online for free
③曲がり管の内外の流速とレイノルズ数の関係について(y.imagawa様)
曲がり管の内側と外側で流速はどちらが早いのかという疑問点をご質問いただきました。低レイノルズ数だと一様な速度分布で、高レイノルズ数になると、どうなりますか?という問いかけでした。勉強会ではご質問されたい方の発表もお待ちしております。
④自己紹介・Introduction of Python ezdxf Module for AutoCAD DXF File(ieneko様)
CAD屋さんには、おなじみのDXF形式のファイルを操作するPythonライブラリexdxfについてのご紹介。CAEの計算でモデルをCADデータから拾い出すときがありますが、必要のないデータを除いて欲しいラインを抽出するときにこのライブラリが使えるそうです。発表資料は好意により公開いただいております。
今回も多様な発表となりました。ご参加いただきました皆様には感謝を申し上げます。
次回勉強会は4/25(土)です。ご興味をもたれた方はご参加いただければと思います。
http://ocbkansai.connpass.com/event/13593/
関西勉強会の実験プロジェクトも水面下で進行しておりますので、面白いご報告ができるように進めていきます。
※発表者名はconnpass参加登録名で表示しています。